キャッチャーの投げ方指導(投球リハビリ外来)/長津田あおば接骨院

2020/03/26 投球フォーム指導(投球動作指導)

キャッチャーのスローイング(投球動作)指導

 

当院では「キャッチャー専門」のスローイング指導が出来るのも特徴の一つです。

 

そもそも「キャッチャーの投げ方」って他のポジションと違うと思いますか?

 

実は...基本的には“同じ”なんです。

 

簡単に解説すると、右投げの投手の場合、テイクバックの時に右肘を伸ばした状態から「肘を曲げながら」トップの位置を作ります。

 

では「キャッチャー」の場合はどうなるでしょうか?

 

よく耳にするのは「弓を引くように肘を後ろに引く」動作です。

さらに「小指を上にして真っ直ぐ引く」という指導も聞きます。

 

答えを言うと、これ間違いです。

 

「えっ?」とお思いの方も多いと思いますが、これは間違いです。

 

理由は二つあります。

 

「肘を真っ直ぐ引く」こと

なぜ間違いかと言うと、肘を真っ直ぐ引くことで、肘が身体の後方に入りやすくなります。

身体の後方に肘が入ってしまうと、ステップした後に回転していくと、「肘が下がりやすくなる」からです。

また、「肘を後ろに引く」→「肘を前に出す」ことにつながります。

さらに「肘を曲げながら後ろに引く」場合、肘を曲げる時に上腕二頭筋が働くため、「肘を前に出して投げる」時に肩への負担が強くなります。

※なぜ「肘を前に出す」ことがいけないのか?は以前に動画で解説した「スナップスローについて」を参考にしてください。

 

「小指を上にして真っ直ぐ引く」こと

「小指を上にする→肩が内旋するor前腕が回内する」

・肩が内旋する、とは両手を真横に挙げた状態で小指を上にしようとすると、腕全体が前側にぐるっと回ります。

逆に手のひらを上にしようとすると、腕全体が後ろ側にぐるっと回ります。

こっちが外旋です。

肘を曲げた状態だと分かりにくいですが、肘を曲げていても「小指が上になる」ということは、上腕が前側に捻じれます。

つまり、肩が内旋することになります。

なぜ、これがいけないか、というと「内旋した状態で肘を引くと、肩にストレスがかかる」からです。

両手を真横に挙げた状態で、手のひらを上にした状態で挙げていくのと、小指を上にした状態で挙げていくのとでは、どちらが挙げやすいでしょうか?

おそらく「手のひらを上にした状態」の方が挙げやすいと思います。

これは、上腕骨にある“大結節”という部分が、内旋した状態で挙げていくと、肩甲骨の“肩峰”に接触するからだと言われています。

実際には骨と骨が接触することは考えにくいですが、“大結節”には筋肉が付いていますので、骨と腱、滑液包が接触することで「肩峰下滑液包炎」いわゆるインピンジメント症候群を発症しやすくなります。

 

・前腕が回内する、とは右手でドアノブを時計回りに回す動きが回外、逆に反時計回りに回す動きを回内と言います。

では、なぜ「前腕を回内してはいけないのか?」

それは「肩関節の内旋を誘発する」からです。

これは上記にあるように、肩の痛みや肘下がりを誘発します。

 

他にも「手首を反らせる・曲げる」動作にも注意が必要です。

 

 

 

◯ここまでお話をすると<何が正しいのか?>にたどり着くと思います。

 

正解は、「肘を曲げながら肩を回す」ことです。

 

投手は「肘を伸ばして曲げながらトップを作る」

捕手は「肘を曲げたままトップを作る」

 

これが答えです。

「肩を回す」動作が “早く小さく”なることで、肘を引いているように見えるのです。

 

 

今回は“キャッチャーのスローイング動作の基本”の内容でしたが、キャッチャーのスローイング動作に欠かせない要素の一つに“フットワーク”があります。

そして、外せないのは“構え方”です。

 

“フットワーク”も“構え方”も、“身体の使い方”という点で非常に大切です。

 

野球肘や野球肩といった投球障害は、投手に多い、と思われがちですが、意外とキャッチャーにも少なくありません。

特に、セカンド送球をする時の動作がポイントです。

早く強く投げたいと焦るあまり、ステップをした時に頭が上がり、上体で力んで投げることが多いはずです。

小学生や中学生の場合は、身体が出来上がっていないため、上体で力む=投球障害のリスクとなります。

また、高校生以降では、SLAP損傷やインピンジメント症候群などの発症リスクにもなるため注意が必要です。

 

 

 

当院の投球フォーム指導プログラム「投球リハビリ外来」では、各ポジションに合わせた投球フォーム(スローイング動作)指導が可能です。

また、経験論に頼った指導ではなく、「怪我をしないため」という“障害予防”にフォーカスしているため、局所への負担を減らすことができます。

また、「局所の負担を減らす=全身を協調させる」ことに繋がるため、パフォーマンスアップも見込めます。

 

元プロ野球選手の指導など、現在は小学生の頃から野球を学ぶ環境が整っています。

ですが、経験論の場合、感覚的な部分に頼ることが多いのも事実です。

修正方法は一つではありません。

全体の動きを総合的に見極めた上でアドバイスすることが大切です。

 

 

「整形外科で野球肩は治った、と言われたのに痛みが取れない」

「レントゲンでは異常がないのに肘の痛みが取れない」

「手術をしないと投げられないと言われた」

 

などでお困りの方は、ぜひ当院にご相談ください。

上記の例は全て「投球フォーム」を修正することで、痛みも取れ、実戦復帰できている例です。

 

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※緑区.jpに院長 酒井のインタビュー記事が掲載されています。

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